川柳川柳

かわやなぎせんりゅうの訃報が載っている。

55年に六代目三遊亭円生に入門し、74年、真打ちに。78年の落語協会分裂時に五代目柳家小さん門下へ移り、川柳川柳と改名した。
 jazzと軍歌を歌いながら戦中戦後の移り変わりをたどる「ガーコン」などの個性的な新作落語で知られた。メキシコなどで着用されるつば広の帽子ソンブレロをかぶってラテン音楽の「ラ・マラゲーニャ」を弾き語る芸でも人気を集めた。

ガーコンは、脱穀機の音を表している。
 斉藤斎藤という歌人がいるが、落語家の名前に川柳川柳というのを思い起こした。TVで何度か見た記憶がある。そのときは、ただ奇抜な面白さを感じただけだったが、経歴を文章でたどると破天荒な芸風と逸話に満ちた生涯だ。

 放送禁止用語による下ネタや、飲酒による失敗が多かったらしい。賞賛されるような話ではないが、こういった型破りな芸風が許されない堅苦しい社会になっているような危惧を感じる。