カポーティは同性愛者

麦畑のミドルショットから始まります。次ぎに引きのカット。
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アメリカのカンサスの郊外の風景が美しい。地味な内容ですが、最後まで飽きさせません。恵比寿ガーデンシネマ。銀座シャンテシネ。観客は女性が多いですね。カポーティの『ティファニーで朝食を』の影響でしょうか。彼がゲイであったことは、あまり正面から描かれてはいません。
ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - オスカー有力候補??『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン"

この『カポーティ』にはもうひとつの見方もある。

犯人であるペリーと共犯のディックとの間にゲイ的な関係が暗示される。

男性的な共犯者ディックに、女性的なペリーは惹かれ、強盗殺人にいたった。

カポーティはペリーの中に自分を見出し、

彼との面会に夢中になっていく。

それを見ているカポーティのゲイの恋人ジャック・ダンフィーは黙っているが、明らかに嫉妬のような感情を抱いている。

さすが、町山智浩さんは、細かいところまでよく映画を見ていますね。ただカポーティも女性的ですから、嫉妬というのはどうでしょうか。
映画は、あくまでも『冷血』を取材したときのアンビバレントな感情を中心に展開します。
犯人には死んでもらいたい。だけれども実際に取材をつづける内に共感が生じてしまった。絞首刑に立ち会ったのは、犯人に対する愛情を貫いたためでしょうか。
最高傑作を書いた後に、小説が書けなくなって、アルコール依存症になったのも当然の成り行きでしょう。
素人の俳優をフューチャーした、ドキュメンタリータッチの映画もこの映画の上映に合わせて、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントから販売されています。