夢で毎回訪れる街を描く”夢の街”

倉本麻弓とフジタマ
朝日新聞夕刊、美・博ピックアップから、群馬県立館林美術館で、3月30日まで
http://www.gmat.gsn.ed.jp/ex/ex.html

倉本麻弓の出展作品は、なんと100点以上。前半は「カラス女」のシリーズで、10センチ四方の小さな箱から実物大の「カラス女」まで、大小さまざまな作品が不思議な夢の世界をカタチにしていた。後半は、夢のワンシーンを再現した小箱が90点ほど並ぶ。小箱を覗き、夢日記を読み、「夢のまちの地図」で位置を確認していたら、あっという間に時間が過ぎていってしまった。これは中毒性があるかも。

「夢伝説」出品作家によるギャラリートークをおこないます。
日 程: 3月9日(日)
時 間: 午後2時〜 倉本麻弓 / 3時〜 フジタマ
申込不要、要観覧料

 人間の不可思議な精神作用がもたらす夢、あるいは人々の日常生活に潜む無意識を照らし出す二人の若手作家の展覧会です。
倉本麻弓(1976- )は、自らの夢で何度も訪れている「夢のまち」で起こった様々な事件を、10cm四方の小さな箱のなかに立体的に再現する作品を制作しています。箱の小さな穴から夢の場面をいくつものぞいて歩くうちに、私たちは、夢の迷宮へと果てしなく誘い込まれていくことでしょう。本展では、新作を含む「夢のまち」シリーズと、夢のなかで出逢った重要なモチーフ「カラス女」の立体作品、さらに倉本の作品をもとに制作された映像(制作:小野塚沙織、鈴木敏也、茂木薫)により、展示スペース全体を彼女の夢のまちへと変貌させます。
フジタマ(1971- )は、好奇心と観察眼のアンテナでキャッチした日常のすきまに入り込み、無意識や固定観念を覆す独特のワールドを、切り紙やオブジェのインスタレーション、映像などに展開しています。本展では、神棚をくばるパフォーマンスの映像「くばる人」や、映像「かぞくのゆめおうこく」とそこに登場する国立民族学博物館の所蔵資料によるインスタレーションに加え、館林を舞台とした新作映像「たてばやしのゆめおうこく」(2007年)が出品されます。「分福茶釜」のタヌキの逸話が伝わる茂林寺や、キツネの尾に導かれたという館林城の伝説が残る当地の日常風景は、作家の眼を通してどのような物語に生まれ変わるでしょうか。
群馬県東部、旧城下町の館林−過去と現代とが交錯するこの土地で、二人の「まち」と「おうこく」の新たな「夢伝説」が紡ぎ出されます。
関連イベントに関しては美術館ウェブサイトをご覧下さい。
 おもしろい!夢をモチーフにした絵画や映画作品を数々見てきたけど、9歳のときから夢に登場する街の地図を描いた作品ははじめて。
 会期中に必ず訪れたい作品展