キリスト教とエコロジー

環境破壊は、聖書の教えから始まり、教会は責任を持つべきだと書いてありました。

ドイツ人博物学者エルン
スト・ヘッケルが,ギリシャ語で家を意味する「オイコス」と学問を意味す
る「ロゴス」を組み合わせて,生態学を意味する「エコロジー」を造語した
のは1866年のことである。ヘッケルはチャールズ・ダーウィンの著した『種
の起源』に影響を受け,生物学のすべての現象をひとつの体系として考察で
き得るものとして理解し,生物学的現象及び生命体を個別に捉えるのではな
く,その周囲の生物学的事象や生命体の置かれた環境等との相互関係におい
て理解されるべきであると考えたのである1)

エコロジー思想の源流は16世紀のフランス人旅行家ピエール・ブロンやア
ンドレ・テヴェ等の記録に見出すことはできるが,それらは単なる自然保護
への認識程度でしかなかった。その後,エコロジーについての「啓蒙の世紀」
と呼ばれる18世紀に,科学・哲学・経済学・文学の各分野でエコロジー的思
惟が芽生えはじめるようになった。その影響により環境問題や生態学的破壊
についての危機意識や認識がヨーロッパやアメリカで徐々に広がり,19世紀
にはエコロジーの概念が生態学的活動として組織されるに至るのである。言
うまでもなく,これらは1760年代にイギリスで始まり1830年代以降欧州諸国
に波及した産業革命に端を発している。そして,19世紀になってはじめて,
エコロジーの基本要素となる2つの認識に到達する。そのひとつは