家の鍵 父親の号泣

地味で、真面目な映画ですね。
15年も会わなかった父子の再開と和解を描くイタリア映画。

ネオ・リアリズム(リアリズモ)の系譜を引く作品。

映画の最後のシーンを息子と一緒に見て、私は泣きました。この映画のなかで、私がいちばん好きな場面です。

自分で撮った映画を見て、泣く監督。男も中年になると、ナルシストというか、自分の作品で泣けるのですね。
そのことに、一番驚かされ、勇気をもらいました。登場人物の細やかな心理描写はみごとです。

自分が捨てた、障害を持った息子に対する、負い目やその息子をなかなか受け入れることができない自分に対する
苛立ち。
そして、男泣きと息子のやさしさ。ハリウッド映画にはない、味わいがあります。

家の鍵 明日、生まれ変わる (集英社文庫)

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