寺島しのぶの一葉

3時間近い、長い芝居、役者泣かせの長ゼリフを寺島・樋口一葉は堂々と演じます。

部屋の隅で、額をこすりつけるようにしてうずくまる田舎臭い、文学少女から、晩年の何かを達観したような死の姿まで
ユーモラスに暖かく、そして情熱的に。

そんなところに、永井愛の芝居がヒットする秘訣があるのでしょうか。もっといろいろ書きたいと思ったけれど、どこかで
寺島一葉の愛らしさを自分だけの秘密にしたいよう感じられて…。ごらんになれる方は、幸福です。

二兎社の永井愛による作・演出作品。わずか24年の生涯で「たけくらべ」「にごり絵」などの名作を残し、日本女性では初めて"職業作家"として名を馳せた樋口一葉をモチーフに、「女性の生き方」を追求。"樋口一葉"を寺島しのぶが、一葉が身を焦がすような恋心を抱いてしまう"師範・半井桃水"を筒井道隆が演じます。

共演者
八木昌子小山萌子石村実伽粟田麗江口敦子小澤英恵
向井孝成中上雅巳 *1 杉山英之

客席は満席どころか立ち見で観てくださるお客様もいて、大盛況でありました。
お芝居はお客様に観ていただいて完成するんですね。
ロビーでお手伝いをしていると、二兎社のファンの方や出演者のファンの方……「”日刊・書く女”読んでますよ」とたくさん声を掛けていただいて、大変励みになりました。

『歌わせたい男たち』『柔らかい服を着て』につづく、永井愛の戯曲。
松たか子と寺島しのぶ、歌舞伎の家に生まれた女優たちは生まれながらにして役者の血を引いています。

こちらは、東京タワーの寺島しのぶ

*1:山瀬まみの旦那さん