漫画でサバイバルだクリスマス!

おたくの聖地、ブロードウェイ

クリスマが近づいてきました。非コミュ、非モテのあなた。漫画を読んで、クリスマスを過ごす
というプランはどうでしょうか?

もちろん、シャイでおたくな彼にプレゼントするのだって、OKです。

都内には3つのおたくの聖地があります。
アキバ、池袋乙女ロードと並ぶ、サブカルのメッカといえば、中野ブロードウェイまんだらけを筆頭に、

マニア垂涎のお店がひしめいています。
余談ですけれど、先日、亡くなった青島幸男さんは、このビルに住んでたんですよね。
その3Fのはずれにあるお店がタコシェ
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はてなユーザーの中には、漫画、アニヲタを自認するみなさまも多いので、すでにご存知の方

もいらっしゃることとは思いますが、

id:yomokichi さん:渾身の傑作『戦中派天才少年』が、店頭では、このタコシェの限定販売*1になっています。

戦中派天才少年

後年、山田風太郎のペンネームで戦後最大の小説家となる山田誠也をヒーローとして
高森圭さんがオリジナルなストーリーを展開した漫画です。

高森さんの作品はネットでも読むことができます。

http://www.geocities.jp/webmangagogo/g3.html


実際に漫画本としてパラパラと頁をめくってみると、そのすばらしさが一段と手から伝わって

きます。

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漫画のベースになった作品は『戦中派虫けら日記』と『戦中派不戦日記』



昨年末、山風の戦後日記が発見され、三国連太郎さんがインタビュアーになったドュメンタリーが

NHKで放映され話題になりました。

今年は、クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』が話題になっていますね。

一兵卒のパン屋の青年を演じる二宮和也が愛する妻の元に帰ることだけを支えにして

地獄の戦場を生き抜いていく姿は大きな感動を呼び、アカデミー賞のノミネートも期待されています。

60年ほど前、勝つ見込みのない戦争で、一千五厘で招集された兵隊の多くは任務をとげると、力尽きて

死んでいきました。

少年時代に父母と死別し、虚弱な身体を抱え、友も次々に戦死していくなかで、頼みの綱は明晰

な頭脳だけ。幾多の困難をのりこえ、自立の手段として医学を学ぶ傍ら小説を書きクールに時代を

見つめて記録した山田風太郎

戦中派天才老人・山田風太郎 (ちくま文庫)

戦中派天才老人・山田風太郎 (ちくま文庫)


『戦中派天才老人』の著者、関川夏央さんは、谷ジローさんの作画による『「坊ちゃん」の時代』の

着想は、風太郎の明治時代小説から得たと明言しています。

山風パスティーシュを継承する

 『戦中派天才少年』は、山田風太郎を軸にして、さまざまな青春群像を描く痛快漫画。

関川夏央の明治時代劇画からの影響がちょっと感じられます。

小説家が主人公の漫画という同様のパターンに従っている点が、おしい気もするのですが

作中、エピソードには作者の作画のセンスの良さやファンタジックな発想が随所に散りばめられ
ています。

 ただし山田風太郎自身も、『天才老人』のインタビューでは、自分の小説の才能はパスティー

シュにあると謙遜しています。引用といっても、そこに豊かな着想と奇想天外なアイデアを盛り

込むのです。
 山田風太郎が開発した技法を漫画に導入した関川。その方法を反復することで、山風自身をヒ

ーローにして昭和の戦時下を描き、独自の世界を創る高森。文字通り、彼女は漫画を描くことで

生を支えているのです。

*1:通販の場合は直接、yomkichiさんに問い合わせてください