ジョバンニ・セガンティーニのアルプス三連作

生も死も、自然の中にとけ込み回帰する。もっとも近代的な死生観をあらわしている絵画。
NHK 迷宮美術館

Giovanni Segantini

Giovanni Segantini

ジョバンニ・セガンティーニ、アルプス三連作です。多くを語らず、じっと向き合って見ましょう。「生」と名づけた一枚。「自然」と呼んだ一枚。
「死」というタイトルの一枚。生まれて、働いて、死んでいく人生。その生も死も、自然の中に溶け込み回帰する、と。
しかし、この作品は未完なのです。この絵を描いている時のことでした。病とは無縁だった男に突然激しい腹痛が襲いました。急性腹膜炎。それから数日後の事です。シャーフベルグの山小屋で、死の床についたセガンティーニが呟いた言葉は『自分の山が見たい』だったとか