ゲーム的リアリズムの誕生

動物化するポストモダン2 東浩紀
やっと登場した動物化するポストモダンの第2部


http://www.hirokiazuma.com/archives/000287.html

オタクから見た日本文学である。さて著者はオタクをマンガ、アニメ、ゲームなどを中核とした趣味の共同体と定義している。

本書はオタクについて論じた内容ではないので、そういった本を求める方には不向きである。

1995年以降は、ポストモダンの時代である。
といっても、モダン(近代)が終わってしまうわけではない。
近代と近代以降が同じようにつながっているのがポストモダンである。

「コミュニケーション指向のメディア」がいままでの文学と並列するような形で、読者からの支持を得るようになる。

ポストモダンの文学では、読者はプレイヤーとしてゲーム的リアリズムの空間に組み入れられることになる。

東が論じるのは、ライトノベルであり、ギャルゲーであるのは、それがポストモダンの文学を代表するようなメディアだからだ。

ギャルゲーオタク、ラノベオタクにとっては、東が論じているのは、違うという話でしかないだろう。

この本もまた、コミュニケーション指向のプレイヤーによってデータベース消費されていく運命にある。

SNS、あるいはコミケポエトリーリーディング
ダンスあらゆる場所で、コミュニケーション指向の作品が演じられ、またたくまに変化していくことを予見した小著。

現代文学の将来を占う本でもある。