西村画廊 横尾忠則温泉三昧

温泉主義

2008年3月11日(火曜)より4月12日(土曜)まで「横尾忠則 温泉主義」を開催いたします。

温泉主義

温泉主義


横尾忠則は1960年代初めにグラフィック・デザイナーとしてデビューして以来、演劇、映画、音楽など多岐にわたる方面で活躍し、常に時代をリードし続けてきました。1981年には画家として活動することを宣言し、多様な主題を枠組みにとらわれない独自のスタイルで表現した密度の高い作品を制作しています。横尾の作品には自身の趣向や興味、生い立ちといった私的な事柄が、「時代」を反映した独特の感覚によって昇華され、時に風刺を込めて、あるいは暗示的に描かれています。大衆的で親しみの深い感覚で時代を生き生きと表現すると同時に、無尽蔵の幻視的なイメージをあわせ持った横尾の作品は、国内にとどまらず世界中からも高い支持を得ており、日本を代表する作家としてその名を知られています。近年は各地の美術館で40年以上に及ぶ横尾の活動を多面的に紹介する回顧展が開催されたり、2006年にはパリのカルティエ財団で個展を開催するなど精力的な活動を続けています。また今年は4月19日から6月15日まで世田谷美術館、6月27日から8月24日まで兵庫県立美術館で「横尾忠則・冒険王」が開催されます。

 グラフィックデザイナーとしての作品はともかく、油絵を描くようになった横尾忠則は、いまいちの画家です。
 やはり、デザインで、平面を構成することと、筆で描くことの違いでしょうか。
 どうも、バルール(色の関係・バルールは、色価と訳される。Valeurに対応する英語はValueであり、価値、評価、等の意味がある。Valueは色価の意味でも使用される)がうまくいってないのです。

 人物のデッサンはまあまあなのですが、色彩が美味くない。本人もそのことを知っているので、赤で塗りつぶした画面に黒く線で描く。

 初期の作品に見られた線の美しさは、もう見られません。でも、いいんです。横尾忠則は、一つのブランドなんですから。