芸能プロが選挙をプロデュース

 大阪府知事選は、タレントで弁護士の橋下徹氏が初当選

 広告代理店が、選挙で候補者のイメージづくりを担当するのは、いままでも知られていたが今後は、それに芸能プロも加わることになる。劇場政治ポピュリズムは、政治を動かす重要な要因になる。

橋下氏の選挙を中枢で支えたのは芸能プロダクション「タイタン」(東京・杉並)だ。漫才コンビ「爆笑問題」が所属し、橋下氏が業務委託契約を結んでいる。

 選挙期間中、橋下氏の日程表は前日夜にスポーツ紙や週刊誌、在京キー局なども含め、最大約40社にファクスで送られていた。「爆笑問題」のマネジャーも務める選挙統括本部長の劉昇一朗(りゅう・しょういちろう)さん(43)は「一般紙は選挙報道でバランスをとるが、スポーツ紙や夕刊紙はそうじゃないと計算した」。

 橋下氏が提唱する「小学校校庭の芝生化」にスポットをあてるため、小学校で橋下氏と子どもたちに鬼ごっこさせるなど「絵」になる場面も演出し続けた。

 その一方で、タレントからの応援は一切断った。陣営幹部は「好き放題言っていたタレント時代と違う。当時の橋下を思い起こさせるタレントの応援弁士は逆効果と考えた」と打ち明ける。